あの日失った想い
今、私は混乱している。




なぜなら、見知らぬ女の子が郁麻とハルに飛びついてきたからだ。




「って、んん?花恋じゃねーか!」




「そうだよ!久しぶりだね」




「いきなり飛びついてくるな。危ねぇだろ」





花恋と呼ばれた女の子は「えへへ」と恥ずかしそうに頭を掻いていた。






かわいいと思った。仁美に負けないぐらい。私なんか足元にも及ばないぐらい。




「あ、紹介するよ!俺たちの幼なじみ花恋だ」




ハルが花恋さんの背中をポンと優しく押した。




「佐藤 花恋。よろしくねー2人は郁ちゃんたちの友達?」



「はい」




私は少し人見知る。だから今も少し緊張している。



「あらあら、緊張しないで。同い年でしょー2人とも名前は?」



花恋さんはクスクスと笑いながら訊ねてきた。



「由佳里です!」
「仁美よー!」




「由佳里と仁美ね。改めてよろしく」



花恋さんは小さく微笑んだ。



よかった。すごくいい人だ。

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