あの日失った想い
「郁麻すまねぇ、今日は部活して帰るわ」



ハルが珍しく部活に行くそうだ。まぁ、俺には関係ないけど。


「わかった。明日な」



俺はハルに背を向けて、そのまま寄り道せずに帰ろうとした。






「おい、青木 郁麻だな」



カラフルな頭をした野郎どもに肩を掴まれた。


ちっ、めんどくせぇ。


「俺はてめぇらに関わってやるほど暇じゃねぇ」



ドスをきかせた声で野郎どもを睨んだ。




「ほぅ。では、佐藤 花恋がどうなっても良いよだな?」



「あ?」



俺がさらに睨むと、奴らは不敵な笑みを浮かべた。あーうぜぇ。




「佐藤 花恋は俺たちが預かっている。返して欲しくば、潔く俺たちに殴られろ」



「……分かった。その条件呑もう。が、まずは花恋の元へ連れていけ」




俺は、今は大人しくこいつらに従うことにした。

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