あの日失った想い
彼の言葉に私は絶句した。え?


「えっとね、私、中3のころ郁麻くんと同じクラスだった花咲由佳里だよ!憶えて…ない?」


私は恐る恐る郁麻くんに訊ねた。

そしたら、郁麻くんはさっきよりもいっそう険しい顔をした。



「ごめん記憶にない」


キッパリとなんの躊躇も無しに即答する彼の言葉は、私にとってはあまりにも残酷すぎる言葉だった。



自分を憶えられてないって、思ったよりも辛いの。


「そう…それもそうよね!急に話しかけたりしてしまってごめんなさい……」



私は零れそうになる涙をグッとこらえて、2人から背を向けた。

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