てるてる坊主にコロサレタ
「いいわけあるし、間違ってなんてないよ。それに由梨が死んでわたしの頭が戻ってきたら、ずっと辛くて仕方のなかった頭痛がなくなったんだよ。奈穂実、心配してくれてたじゃない」


そして心が少し軽くなった。

恨みを晴らせば、実宇子たちを苦しめる事ができれば、きっとわたしはこの場所から解放されるって確信した。

お通夜の時、お経とお線香の香りで成仏できればもう誰も殺さずにすむのかもなんて思ったりもしたけれど。

わたしの心は自分でも驚くほどに強くそれを拒んでいた。
そして式場にいることが苦しくて仕方なかった。
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