てるてる坊主にコロサレタ
「最期? だってそれは虫とか動物の目線で描いたんじゃ、……あっ! 」


顔をあげた奈穂実はそう言いいながら気づいてくれたみたいだった。


「そう、これはわたしの首が切断されちゃった時に見た景色だよ」


まるでスローモーションのように夜空が昇っていって、月の光が雨粒をキラキラと光らせて、露草を飾っていた。


「でもね、これには続きがあるの」


わたしは色鉛筆の蓋をあけた。
グラデーションのように順に鉛筆を並べているけれど、長さはどれもまばらだった。
特に藍色や緑はこの絵に使っていたから短くなっているし。

そして、この中で1度も使ったことのない赤色を握りしめた。
この瞬間の為だけに取っておいた赤色を。
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