てるてる坊主にコロサレタ
「これが生きているわたしが最期に見た本当の景色だよ」


わたしは赤鉛筆をスケッチブックに叩きつけるように押しつけると、露草の花をぐしゃぐしゃに塗りつぶしていった。


あの時、とても綺麗な景色が一瞬で様変わりした。
露草は真っ赤に染まっていって、熱い液体がわたしの顔に飛び散ってきた。


そして目の前が真っ暗になって何も見えなくなった。


いつの間にかわたしは、露草の中で転がっている自分の体と頭を見ていた。


顔にかかった熱い液体はわたしの体から噴き出した血だったらしくって、顔にも辺りの露草にもベッタリとかかっていた。

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