てるてる坊主にコロサレタ
『わたし、死んじゃったの? 』


って思ったけれど、初めて死んだから実感というものはすぐにはなくて。


それよりも首のない体と血で汚れた顔と乱れた髪、そして開いたまま目。


こんなに不気味になってしまった自分を誰かに見られるのは嫌だなって思っているわたしの横を、首なし坊主は通り過ぎながら持っていた古く汚れた頭蓋骨を捨てた。


そこで追いかけられていたことを思い出した。


また恐怖が沸き上がってきて動けなくなったけれど、首なし坊主は死んだわたしには全く興味がないみたいだった。
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