てるてる坊主にコロサレタ
そして首なし坊主はしゃがみこむと、わたしの頭を雑に掴んでそのまま煙のように消えていった。

しゃがみこんだ時に見えた首なし坊主の切り口は、わたしの体と同じような切り口で、思わず悲鳴をあげてしまったのを覚えている。

あの恐怖を消してしまいたくて、思いきり手に力を入れると、ボキッという音と共に色鉛筆が折れて、スケッチブックに穴を開けた。


「あぁ、もうっ! 」


イラッときて投げ捨てた色鉛筆は床で跳ね返ると、実宇子にバシッと当たってしまった。


「あ、ごめんね? 」


謝ったけれど何も言わずに怯えた目をしてわたしを見ている実宇子と奈穂実。
そんなに怖がるようなことなんてしていないのに。






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