てるてる坊主にコロサレタ
なんだか色鉛筆を拾うのも削り直すのもめんどくさい……


わたしはケースの中から黒の色鉛筆を選ぶと、てるてる坊主の1つを手に取った。


「もうさー、実宇子ちゃんの血で塗っちゃおうか」


そう言って実宇子の顔を見たけれど、思いきり顔を背けられてしまった。
けれどそんなにあからさまな態度を取られても、悲しい気持ちにもならない。


「こっち向いてよー」

「美晴、お願い。……もうやめよう」


顔を書き始めたわたしに、奈穂実が震える声で話しかけてきた。


「どうして? 」


わたしはチラッと奈穂実を見ると、またてるてる坊主に視線を戻した。

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