てるてる坊主にコロサレタ
「……それは今となっては本当にくだらない理由だったのよ」


実宇子は頭を上げると、人指し指で涙をぬぐった。


「私達の交換日記を多華江と潤子に取られたの。『好きな人や悩みをバラされたくなかったら美晴を無視しろ』って感じでおどされて、合わせるしかなかったの」


それが理由だったの?

わたしはてるてる坊主を書いていた手を止めて、思わず顔を上げた。


「そんな事があったなんて。……話してくれればよかったのに」

「何度も教えようとしたけれど。もし二人に知られたら、美晴の事を言いふらさせれると思ったから言い出せなかったのよ。ごめんね。本当にごめんなさい」


実宇子はそう言って、また深く頭を下げてきた。
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