てるてる坊主にコロサレタ
わたし達は交換日記をやっていた。

あの日記ノートには実宇子ちゃんは好きな人をイニシャルで教えてくれていたし、わたしはクラスや先生へ不満を書いていた記憶がある。


中学生の子供じみた日記だけれど、それは“今思えば”の話であって。

あの頃は学校生活が人生の大半を占めていることだから、取られて脅されてしまえば言うことを聞くしかない。

わたしの事を嫌いになったからもうやらなくなったんだとばかり思っていたのに、まさかわたしをかばってくれていたなんて。

じわっと目の奥が熱くなって、まばたきをしただけで涙がこぼれてしまった。
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