てるてる坊主にコロサレタ
電気が復旧したことを喜びながらハキハキと自己紹介をした奈穂実は、大袈裟におじぎをしてから顔をあげた。
その途端、わたしの心臓はドクドクと激しく鼓動をはじめた。
(うそ、……美宇子ちゃん? )
明るい中で見る奈穂実は、仲のよかった友達に驚くほどそっくりだった。一瞬目が合い、ニコッと微笑んでくる奈穂美。けれどわたしは思わず目を背けてしまった。
(そんなはずはない。だってもう美宇子ちゃんは……もういない)
「可愛いじゃん」
「だなー」
ざわくつ男子生徒たちの言葉は、「ゴホン」というほのかの遠慮がちな咳払いにかき消され、それ以上は続かなかった。
そしてみんなが麻梨と由梨を確かめるように視線を送った。
双子はお互いの顔を見合わせるとフンッと鼻で笑い、興味なさそうな顔を作って人差し指で髪をくるくると丸めていて、転校生を見ようとさえしていない。
その途端、わたしの心臓はドクドクと激しく鼓動をはじめた。
(うそ、……美宇子ちゃん? )
明るい中で見る奈穂実は、仲のよかった友達に驚くほどそっくりだった。一瞬目が合い、ニコッと微笑んでくる奈穂美。けれどわたしは思わず目を背けてしまった。
(そんなはずはない。だってもう美宇子ちゃんは……もういない)
「可愛いじゃん」
「だなー」
ざわくつ男子生徒たちの言葉は、「ゴホン」というほのかの遠慮がちな咳払いにかき消され、それ以上は続かなかった。
そしてみんなが麻梨と由梨を確かめるように視線を送った。
双子はお互いの顔を見合わせるとフンッと鼻で笑い、興味なさそうな顔を作って人差し指で髪をくるくると丸めていて、転校生を見ようとさえしていない。