てるてる坊主にコロサレタ
奈穂実は人見知りをしない性格らしく、授業の合間の10分休憩で近くの席のクラスメイト達に話しかけていた。
けれど、誰もが双子の視線を気にして聞こえないフリをして席を立ったり、寝たフリをして避けていた。
さすがに2回目の休憩時間には、奈穂実もそれは“恥ずかしがっている”のではなく“避けられている”のだと気がついたみたいで、以降は誰にも話しかけることはしなかった。
そんな奈穂実を見て、わたしは転校してきたときのことを思いだしていた。
あの頃はこの休憩の10分間が苦痛でしかたなかった。
誰かに話しかける勇気もなくて、話しかけてくれる人もいなくて……。
クスクスと笑いながらわたしのことを見ている視線を感じながら、授業よりも長く感じる時間を下を向いて耐えているだけだった。
けれど、誰もが双子の視線を気にして聞こえないフリをして席を立ったり、寝たフリをして避けていた。
さすがに2回目の休憩時間には、奈穂実もそれは“恥ずかしがっている”のではなく“避けられている”のだと気がついたみたいで、以降は誰にも話しかけることはしなかった。
そんな奈穂実を見て、わたしは転校してきたときのことを思いだしていた。
あの頃はこの休憩の10分間が苦痛でしかたなかった。
誰かに話しかける勇気もなくて、話しかけてくれる人もいなくて……。
クスクスと笑いながらわたしのことを見ている視線を感じながら、授業よりも長く感じる時間を下を向いて耐えているだけだった。