てるてる坊主にコロサレタ

「でも、わたしと話さない方がいいと思う。だってわたしは、」

「どうして? クラスの連中なんて好き勝手言わせておけばいいよ、ね? 」


そう言って奈穂実はわたしに笑ってくれる。


「奈穂実っ!」


大きく呼ぶ声が、わたしたちの話を途切れさせた。

かなり前の方から、一人の女性が小走りでこっちに向かってきている。


「あれ私の母さんだよ。お迎えなんてどういう風の吹き回しなんだろ」

「……でも怒ってる雰囲気じゃない? 由梨を叩いたことか、学校をさぼったこと。それかその両方か……」

「それだ! 」


気づいた奈穂実はヤバイという顔をしてガックリと肩を落とした。

これからお説教が始まるのだと思う。

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