INFATUATOシンドローム
璃夢「八重樫くん、大丈夫ですか?」


フェンスにもたれ掛かるようにして座っていた八重樫くんに急いで駆け寄る。

自分で起き上がって壁際まで行けたんだね…。それは良かったけど…良くないね!


翼「おま……」


璃夢「あぁ!喋らなくていいです!話しかけたの僕だけど……一旦ここから出ましょう?いつこの人たちが起きるか分かりませんから。保健室……は遠いので理事長室まで歩けますか?」


とりあえず早く手当しないと。動けるし、喋れるみたいだから脳に影響は無いはずだけど…

そして八重樫くんの腕を自分の肩に回そうとした……その時、


?「意外と強いんだなー。」


そんな声がドアの方からした


翼「ひ、びや…」


一体誰だ、あの男は。そう思っていると、八重樫くんがあの男の名前を呼んだ。

日比谷?あぁ、この学校のトップだっけ?


恭「今朝、お前らの会話聞いて1年ヤンキーに仕掛けさせてみたけど……やっぱり使いもんにならなかったな」


そう言いながら倒れている一年ヤンキーたちを横目に呆れ顔をする

今朝私たちの話を聞いて……。つまりはこの人がこのヤンキーたちに指示を出してたってこと?ことの元凶?


璃夢「先輩の目的はなんですか?」


私たちの会話を聞いたところで、なんでこの人がちょっかいかけてくるのか分からない。


恭「俺の目的?ソイツを潰すこと」


そう言いながら指を指したのは八重樫くんだった

八重樫くんを潰すってどういうこと?全然目的の説明になってないんだけど。


恭「わからないって顔してんな?お前のこと気に入ったから教えてやんよ。」


いや、気に入られても全く嬉しくないんだけど。何この気持ち。


恭「コイツは俺をトップの座から下ろそうとしてるらしいんだよ。俺としてはかなり困るんだよなぁ、そういうことされるの。悪い芽は早々に摘み取らないといけないだろ?」


ふむ、なるほど。自分がトップの座から下ろされるのが怖いから1年のヤンキーたちを使って八重樫くんをリンチしたってこと?
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