INFATUATOシンドローム
璃夢「氷嚢とかってあったりしますか?」
大和「保健室にならあると思うけど……氷と袋くらいならあるよ?」
璃夢「じゃあ袋に氷入れて、空気を抜いた状態にして持ってきてもらっていいですか?」
大和「え、空気抜くんだ。水と氷テキトーに入れただけじゃダメなんだね」
璃夢「はい、空気が入ると安定感が無くなるのと熱伝導が悪くなって冷やしたいところが冷えにくいんですよ」
そう説明すると感心したような声を出したあと大和さんはどこかの部屋へと入っていってしまった。
きっとあの部屋で作ってきてくれるということなのだろう。ではその間に傷の手当をしてしまおう。
大翔「お前詳しいな」
璃夢「お母さんが教えてくれたのと、図書館で借りた本で勉強しました。」
大翔「………ふーん。」
自分で手当できるようになったほうがいいなって思ったから勉強したんだよね。小学校より中学校の方がほんの種類多くて勉強しやすかったし。
大和「ほーい、こんな感じでどう?」
傷の手当をしてガーゼを当てたあと、たんこぶに重ならないように包帯を頭に巻き終えたところで大和さんがビニール袋で作った氷嚢を持ってきてくれた。
璃夢「ありがとうございます!完璧です!…少し冷たいですよ〜」
氷嚢を受け取った私は声をかけてから八重樫くんの頭に氷を当てた。
とりあえず15~20分は当て続ける必要があるから、一旦このままね。