INFATUATOシンドローム
璃夢「他に痛いところありますか?」


そう聞くと八重樫くんは何も言わない代わりに首を小さく横に振った。


璃夢「じゃあ少しの間だけこのまま安静にしててくださいね。寝にくいかもしれないけど、眠っててもいいですから」


大和「え、そのまま!?ず、ずる!」


すると、さっきと同じように何故かずるいと言う大和さん。


璃夢「さっきからズルいってなんですか?八重樫くんは頭に怪我してるのがそんなにズルいです?……バッド持ってきましょうか?」


大和「申し訳ございませんでした」


璃夢「……分かればいいんです」


あんまり不謹慎なこと言うなら大和さんも同じようにしちゃいますよ、という脅しが伝わったのか素直に謝ってくれた。

何を羨ましがってるのかよく分からないけど…


翼「ヒエラルキーやばぁ…」


璃夢「?なんですか?」


八重樫くんが何か呟いた気がしたので顔を覗いて見てみたが目を瞑っていたので気のせいかもしれない。


大翔「この状態だと帰るの厳しそうだな」


目を閉じている八重樫くんを見ながら大翔さんが呟くようにそう言った。

たしかに。安静にしててもらいたいからこのままあまり動かず大人しくしてて欲しいんだよな。


大和「うーん…じゃあ今日はここに泊まらせるか〜。この部屋ならベッドもあるし、キッチンもシャワーもあるからな」


え!理事長室にはそんなものまであるの!?もう住めちゃうじゃん!あ、もしかしてさっき大和さんが氷嚢作るために入っていったあの部屋にあるのかな?
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