INFATUATOシンドローム
〜in 理事長室〜

大和「さーて、まだスープ残ってるかな〜?」

パカッ

大和「おぉ!残ってる〜残ってる〜!あっ、でも八重樫の分か?まだ寝てるし…食っても気づかれないよな?でも…璃夢ちゃんに怒られそうだな…う〜ん!迷いどころだな〜」


璃夢の作ってくれたスープを目の前に小さな葛藤を繰り返している大和。


翼「う……うぅ……ハッ!」


大和「おぉ八重樫、やっと起きたか」


そして大翔により二度目の眠りをプレゼントされた翼が無事起床した。


翼「なんか、声が聞こえて…起きようとしたらお腹に衝撃感じて……三途の川を見る夢見た」


寝転がったまま遠い目をして天井を見つめ語る翼。


大和「おぉ、そうか…朝飯食うか?って言ってももう8時半になるけどな」


深くツッコむのはやめておこうと決めた大和は、軽く返事をして時間を伝えた。


翼「8時半…?ヤッベッ!!ホームルーム始まってんじゃん!」


ボーッとして半分夢の中だった翼は時間を聞いて勢いよく体を起こした。


大和「まぁまぁ落ち着け飯食ってからでも遅くねぇよ。つーか授業くらいサボっても平気だろ?ヤンキーなんだし」


優しい俺はお前の飯を用意してやろう、なんて思いながら大和はテーブルに璃夢の作ったサンドイッチとスープを並べた。


翼「それ、理事長が言っていい言葉かよ。てか、コレ理事長が作ったのか?作れねぇって言ってたのに?」


ベッドからおり、テーブルに近づいた翼は料理を見て驚いた。

昨日の夕飯は作れるヤツがいないからという理由で出前になっていた。だから翼は不思議に思ったのだった。


大和「昨日から敬語使えって言ってんだろ?ったく。これ作ったのは璃夢ちゃんだよ」


翼「璃夢ちゃん?誰だ?理事長の彼女か?」


大和「彼女ならいいんだけどな。まぁ男に興味はねぇから」


翼「男?……あぁ!魁璃夢か!…昨日から思ってたけど、なんで “ちゃん ” 付けなんだよ?」
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