INFATUATOシンドローム
コンコンコンッ


大和「璃夢ちゃん?」


璃夢「はい!」


大和「どーぞ!」


ガチャ

璃夢「失礼しまーす。大和さん、お届けものってなんですか?」


大和「コレコレ!」


そう言って掲げられたもの、それは見覚えのある包だった。


璃夢「それ!弁当!」


そう、私のお弁当箱だった!

でもどうしてそれが理事長室に?誰かが落し物だって届けてくれたのかな?…いや、落し物なら職員室じゃ…。


荘司「全く…忘れ物すんじゃねぇよ」


璃夢「え!荘司さん!?」


掲げられたお弁当箱から少し視線をずらした先には、なんといるはずのない人、荘司さんがそこにいた。

でもなんで……?


荘司「璃花が朝電話してきて『璃夢が弁当忘れちゃったみたいなの!だから届けてきて?』って言ったんだよ。自分で行けって言ったら『ヤンキー校なんて嫌よ!』って。んで、仕方なーく届けに来たってわけ」


私が不思議そうな顔をしていたのを見て教えてくれた荘司さん。

なるほど、私がカバンに入れ忘れただけだったんだね!いやー…疑ってすまなかったね。顔を知らない誰かさん…。


璃夢「ごめんなさい!でも、わざわざ届けに来てくれなくても良かったのに…」


荘司「璃夢が金持ってるわけねえから購買で買うこともできねーだろう?可愛い可愛い俺の姪っゴホンッ…甥っ子が空腹で1日過ごすって考えたら可哀想に思えてよー?俺に感謝しな?」


お金もってるわけないって、その通りなんだけど……悲しくなるなぁ……みんなの中での私貧乏すぎない?

《色んなところでうちには金がないと言っているのは誰だったか…》

ていうか、なんでわざわざ甥っ子って言い換えたのかな?ま、いっか!


璃夢「ホントにありがとう!今度なにかお礼するね!」


親しき仲にも礼儀ありだよね!ちゃんとお礼はしないと!


荘司「じゃあ璃夢が作ったハンバーグが食べたい!」


そんなのでいいのかな?

まぁ荘司さんはハンバーグ好きだもんね!今度家に来たとき作ってあげよ!
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