INFATUATOシンドローム
璃夢「八重樫くんはそれでいいんですか?」


翼「えっ?」


璃夢「そう簡単に負けを認めても」


翼「っ……」


璃夢「負けを認めちゃったらその先には進めない。相手の勝ちを認めるとこになると同時に日比谷先輩のやり方を認めることになるんですよ?」


翼「っ!」


璃夢「八重樫くんがいちばん嫌いなやり方をしてきた日比谷先輩を認めることになるんですよ?」


翼「そうだよな……」


璃夢「それに八重樫くんが謝る必要は全くありませんよ?だって疑っても仕方ないですよ。タイマンすることは僕と八重樫くんしか知らなかったわけですし。」


あの状況からして、八重樫くんから見たら私が卑怯なことしたようにしか見えないのは分かるし。

日比谷先輩って確か、卑怯な手を使ってこの学校のトップになったんだったよね?なんで今まで誰も降ろそうとしなかったんだろ?


翼「お、お前って…スゲェな」


璃夢「スゴい…ですか?」


スゴイことなんてしてないけど…。


翼「俺のこと…許してくれるのか?」


璃夢「許すも何も僕は怒ってもないですよ?」


翼「…………」


そう言うと八重樫くんは黙ってしまった。

あれ、私、変なこと言っちゃった?また怒らせちゃったのかな…?
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