INFATUATOシンドローム
翼「そういやお前、家どこら辺なの?」


家?どこら辺って言えばいいんだろう?何分くらいかかるか言えばいいのかな?

学校からバス停行って、5分くらいで、バス乗って10分、家まで5分……もっとかかるかな?


璃夢「僕?うーんっとね学校からバス乗って30分くらいのところかな!」


翼「思ったより遠いな?帰りのバス大丈夫か?」


璃夢「へ?………あれ!?もう6時!?」


バスの時間を聞かれ、ゲームセンターの中の時計に目を向けるとすでに時間は6時となっていた。


璃夢「ろ、6時以降のバスの時間なんて知らない!ど、どうしよう!もうバス終わっちゃったかな!歩いて帰らなきゃかな!?」


いつも買い物して帰っても5時前には家にいるからこの時間のバスの時間なんて知らないよ!しかも、ここから学校の近くのバス停まで30分はかかるし!


翼「落ち着けって!俺が送ってくから心配すんなよ。まずは親に電話しようぜ?」


どうしよう、どうしようとひとりアワアワしていると翼か私の肩をポンポンと叩いて落ち着くように言ってくれる。

あ、そっか!電話ね!帰りが遅れることくらいは伝えないと!


璃夢「公衆電話ってどこにあるの?」


翼「公衆電話?イヤ、ここら辺にはねぇよ?
てかスマホ使えよ」


璃夢「えっ?スマホ?」


テレホンカード持ってたかなとお財布を確認しようとしていた私は動きが止まってしまった。


翼「ん?なに?」


璃夢「スマホ持ってるの?」


そしてゆっくりと翼の方を見る。翼はなんてことないような顔をしていた。


翼「はぁ?持ってるに決まってんだろ。えっ?逆に持ってねぇの?」


璃夢「え、うん…スマホは大人になってからでしょ?」


子供は危ないからスマホなんて使っちゃダメだよ。情報抜き取られたり、知らない人に特定されたりするんだよ?怖いじゃん!

《義務教育がしっかり行き届いているようだ》


翼「はぁ!?なんでスマホ持ってねぇの!?今のご時世、小学生でもケータイは持ってるからな!?」
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