INFATUATOシンドローム
話がすっかり逸れちゃったね。


璃夢「あっ、でもまだ帰ってきてないかも」


そしてまたも肝心なことを忘れていた。お母さんは今日夜勤だから家にいないのだった。


翼「そうなのか?なんの仕事してんの?」


璃夢「看護師だよ」


翼「看護師か…看護師で母子家庭ってなると結構大変だよな」


そうだよね…やっぱり高校生なんだからバイトして自分でお金貯めた方がいいんだよね…。せっかく友達ができたから、これからお金が必要にもなってくるだろうし…。


翼「ケータイに掛けてみるか?」


璃夢「仕事中だと出ないし、家だと電源切るから…」


翼「うーん…じゃあ家に電話してみて出なかったら普通に帰るか。もし出たら迎えに来てもらえ」


璃夢「迎えに?うーん…頼んでも来ないと思うな。だってここら辺、すごくヤンキー多いでしょ?お母さんってヤンキーが嫌いなんだよね」


ヤンキーは危ないとか怖いって思ってるから、ヤンキーが居そうな場所は絶対に避けるんだよね。ほんと、よく入学を許してくれたよ。


翼「お前、ヤンキーなのに?」


璃夢「ははっだから猛反対されたよね」


翼「へぇー。あっ、俺のスマホ使えよ」


璃夢「いいよ!通話料だって無料じゃないんだから!」


翼「気にすんなよ!公衆電話だって無料ってわけじゃないんだしよ!」


でも公衆電話は私のお金で払えるけど、スマホの通話料っていくらか目に見えて分からないじゃん!

でも、公衆電話の場所も知らないし…探しても見つからなかったことを考えたら借りるべき…?


璃夢「すぐに済ますから借りるね?」


翼「はいよ」


そう言ってスマホを貸してくれた
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