INFATUATOシンドローム

璃夢「…………。」


受け取ったスマホの画面を見て私は固まった。


翼「どうした?」


璃夢「えっと……何をどうしたら電話がかかるのかなって」


不思議に思った翼が声をかけてくれてよかった。固まってしまった理由、それは使い方が分からなかったからだ。


翼「あっ、そっか。スマホ使ったこともねぇんだよな。このアプリ開いて、このテンキーのマーク押して後は電話番号入力するだけ。そしたらこのボタン押す」


なるほど!イヤー使ったことあるケータイなんて子供用のボタン押すとピッピってなるだけのガラケーだもん
《オモチャだから使ったことあるとは言わない》

えっと…家電は……

タンタンタンッ

…これで合ってた…よね?あんまりかけないから忘れちゃうよ。んで、このボタンを押す!


プルルルルルッ

かかった!あと3コールで出なかったら居ないんだよね。

いつも電話があったら3コール以内で出なさいって言われてるから、お母さんなら3コールで出るはず。



プルルルプツッ

早っ!お母さん帰ってきてたってこと?シフト変わったのかな?


?『はい!もしもし!』


あれ?この声って…。

聞こえてきたのはお母さんの声ではなく、明らかに男の人の声。そしてその声は


璃夢「荘司さん?」


荘司『あぁ!璃夢!?良かった〜。電話してきたってことは無事なんだな!』


璃夢「えっ?あ、うん。魁璃夢は無事ですが」


翼「プッ!どんな会話してんだよ」


こんな会話だよ、翼くん。なんで急に無事かどうか確認されたんだろう?


璃夢「でも何で荘司さんが家に?」


今日は来るなんて聞いてなかったはずだけど…私またうっかり忘れちゃってた?


荘司『今日、仕事の休みもらったからハンバーグ作ってもらおうと思って材料買って家に行ったのに誰もいねえじゃん?』


あ、急に決まったことだったんだ。忘れてたわけじゃなくてよかった…
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