INFATUATOシンドローム
璃夢「はぁ…はぁはぁ……」


翼「…ったく、お前がケンカ売ろうとするから悪いんだからな?」


璃夢「ち、違うもん!あっちが売ってきたから買おうと思ったんだもん!」


翼「買わなくていいんだよ!バカ!」


バシッ!
そう言って頭を叩かれた。


璃夢「痛い!痛い!やっぱり最近の翼、僕に対して容赦ないよ!?」


翼「だーかーらー、友情表現だって!」


これを友情表現と言っていいのか!?ただの暴力ではありませんか!?


璃夢「はぁ……でもホントなのかな」


翼「何が?」


璃夢「日向くんの話」


さっきのヤンキーたちの言葉が妙に引っかかる。

自分でケンカせずに組員の人にケンカさせたなんて…そんな人がトップ3の名前に上がるものなのかな…?


翼「……今のところなんとも言えねぇな。実際に俺たちが見たわけじゃねぇし」


そうだよね…

プップー

少し気が落ちているとクラクションの音が聞こえたので音のした方を見た。


璃夢「あっ!荘司さん!」


全速力で走ったおかげかすでに学校の近くまで来ていたみたいで、荘司さんの車もちょうど着いたようだった。

うわぁっ!!荘司さんのクルマ初めて見た!
車高低い!ほら、ウチ駐車場なんてないからいつもどこかに停めて来てくれてたんだよね。


翼「迎え来たか。じゃあ、俺も帰るな?」


璃夢「えっ?翼は乗っていかないの?」


翼「あ?」


荘司「おーい、璃夢ー」


荘司さんが窓から顔を出しているのが見えたので私は車に駆け寄った。


璃夢「迎えに来てくれてありがとう!」


荘司「いいんだよ!誰かに絡まれたりしてないか?」


璃夢「うん!大丈夫だった…よ?」


荘司「イヤ、なんで疑問系なんだよ」


絡まれた、のかな?と思って。別に喧嘩したわけじゃないし、結果としてちょっとお話しただけだったし?


翼「どう見ても絡まれてただろ。ナンパ感あったけど」


荘司「な、ナンパ!?」
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