INFATUATOシンドローム

雪「………お前さ、なんでそんなにタイマン張りたいわけ?」


日向くんが笑ったということも翼に報告しなきゃと思いながら猫ちゃんの肉球をぷにぷにして遊んでいると、そんなことを聞かれた。

すごい、日向くんとこんなに会話が続いたの初めてかも。


璃夢「僕ね、この学校のトップになりたいんですよ」


雪「はぁ?お前みたいな女が?無理に決まってんだろ」


ちょっと、なんで私のこと『女』って決めつけて言うのよ。確かに女だけど、女だって知らないでしょ!?


璃夢「やってみないと分からないじゃないですか!僕は翼と約束しました!この学校のトップから日比谷先輩を引きずり下ろすって!」


雪「………約束、ね…」


璃夢「それに、日向くんとタイマンを張って友達になりたいんです!」


雪「…は?」


もちろん、日比谷先輩と戦うには1年トップにならないといけないから日向くんとタイマン張らないとダメなのはそうなんだけど…


璃夢「僕、人生で初めてできた友達が翼なんですけど、友達になれたのはタイマン張ったからだと思うんですよね!」


やっぱりきっかけがないと仲良くなれないじゃん?私は中学までどうきっかけを作ったらいいか分からなくて出来なかったから…。


璃夢「だから僕、日向くんとタイマン張りたい!」


雪「………アホくさ」


聞かれたから素直に答えたのだけど、日向くんの気分を害してしまったのだろうか、一言だけそう呟くと校舎の方へと歩いていってしまった。


璃夢「……何がダメだったんだろう?」


そういうのが分からないから友達が出来ないのかな?……でも日向くんと友達になりたいのは嘘じゃないよ?1人より2人、2人より3人だよ


「にゃーん」


少しだけ落ち込んでいると、慰めるようにして猫ちゃんが私の手に擦り寄ってきた。


璃夢「ふふっ、ありがとう。さて、翼のところ戻ろうかな」


猫ちゃんを校舎の中に入れることは出来ないから、校庭でお別れして私も校舎に戻った。

そして、何も出来ないまま休日に入ってしまった
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