INFATUATOシンドローム
私たちが大きな声で会話をするからうるさかったのだろう、日向くんが顔を上げた。


雪「……………またお前か。しかも今日はうるさいヤツも一緒とは」


翼「あ゙ぁ?うるさいヤツって俺のことかよ!」


雪「あぁ、お前以外に誰がいんだよ」


翼「クッソー!チビで可愛いくせに生意気な奴だな!」


璃夢「か、カワイイは禁句!」


可愛いって言うと病院送りにされちゃうんじゃなかったっけ!?噂では、可愛いって言ったこのクラスの人も病院に入ることになったって聞いたけど!?


翼「俺はうるさいヤツって言われて腹立ってんだよ!」


そんな理由で!?そんなことでキレるなんて珍しい!もしかしてまだお腹すいてる!?お菓子たりなかった?!


璃夢「で、でもほら!裏を返せば元気な奴だなってことだよ!?」


今ここにお菓子は持ってきてないので、とりあえずフォローの言葉を入れてみる。


翼「元気なやつ?あぁ!それもそうか!璃夢〜お前バカだけど賢いな!」


機嫌が治ったのか、嬉しそうな私の頭をガシガシと撫でてくる。


璃夢「それ結局どっちなの?!」


撫でられてるって言うより、掴まれてるって間隔の方が強いけど…。

って、アレ?日向くん、怒ってこない?

文句、もしくは問答無用で暴力がやってくると思っていたが一向に来ないので不思議に思って日向くんの方を見てみると赤い顔をしてボーッとしていた

あ、これってもしかして……


璃夢「翼、今日はもう帰ろうか」


翼「あぁ?なんでだよ」


璃夢「5限目、大翔さんなんだ」


翼「あぁ、あの数学で遅れたらめちゃくちゃ当てまくる酷いセンコー?」


璃夢「そうなんだよ!僕、数学嫌いだから当てられると困るんだよ」


翼「そーゆー事なら仕方ねぇな。チャイムなりそうだし帰るか」


璃夢「ありがとう!翼っ!」


翼「い、いや、別に大したことじゃねぇし」


なんとか翼を説得し、日向くんの様子をちらっと見てから私たちは教室を後にした。
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