INFATUATOシンドローム
そして5限目の後や6限目の後に行こうとする翼に何かと理由をつけて日向くんのところへ行けないようにした
翼「おい、璃夢!もう放課後になったじゃねぇか!」
そしてあっという間に放課後だ。
璃夢「うん、そうだね!」
翼「『そうだね!』じゃねぇんだよ!ったく、お前なぁ…もっと危機感もてよ!」
璃夢「いやいやいや!お昼の時の翼の方が危機感なかったよ!?」
翼「お前よりは危機感あったと…………おっ!日向一人で帰ってんじゃーん?」
教室では帰る準備をしていると、窓の外を歩いていく日向くんを翼が見つけてしまった。
あ、嫌な予感…
翼「次こそ止めんなよ!?」
璃夢「ちょ、待ってよ!つば……早っ!」
カバンを片付け終え顔を上げると、翼の姿はすでになく、教室から出ていってしまったようだった。
はぁ……日向くん、今日はダメなんだってば〜!
そう思いながら私は急いで翼を追いかけた
璃夢「おーい!翼!」
玄関についても翼の姿はなく、また急いで靴を履き替え外に出る。
もぅ、どこに行ったのよ!
璃夢「つーばーさー!!!」
呼んだら出てこないかなと思って名前を呼んでみた。
グイッ
璃夢「わぁっ!」
すると誰かに腕を引っ張られ、急なことだったので尻餅をついてしまった。
璃夢「いったーい!なんですか!?誰ですか!?痛いじゃないですか!って、翼じゃん」
腕を引っ張ったのは翼だったようで、意外と近くにいたことが分かった。
こんなところにいたなんて!全然気づかなかった!【灯台デモクラシー】だね!
《それを言うなら【灯台下暗し】だ》
翼「ったく、大声で名前呼ぶなよな?恥ずかしい」
璃夢「翼が置いていくから…それよりなんで隠れてるの?」
何かを盗み見るようにチラチラと壁から顔を出していた。