INFATUATOシンドローム
雪「迎えは…すぐ…来る……ゴホッ俺のことは放って…ゲホッゴホ…帰れよ」


璃夢「迎えが来るの?だったら僕も一緒に待ってるよ」


雪「はぁ?」


璃夢「待ってる間、日向くんに何かあったら大変だもん」


また倒れたりしたら大変だし、この隙を狙ってタイマン挑みにくる酷い人もいるかもしれないじゃん!


雪「別に…いい……って……」


翼「遠慮すんなって!つーか、今絡まれたらお前ボコられんぞ?」


雪「俺が…ゴホッ…やられるわけない…ゲホッ…だろ?」


♪〜♪〜

するとスマホの着信音が聞こえた


翼「日向のじゃね?」


雪「あぁ、カバンの…ゴホッ」


璃夢「カバンの中だね?」


人のカバン開けるなんて良くないけど、本人見てるし大丈夫だよね?

そう思って私は地面に落ちている日向くんのカバンから、スマホを取り出し渡した。


璃夢「はい」


雪「あぁ………………はぁ…時雨か」


ケータイの画面には【馬鹿】の文字。なのになんで時雨なの?


翼「時雨って誰だ?日向の彼女?」


雪「ンなわけがないだろ!ゴホッ」


璃夢「日向くんのおにi…お姉ちゃん?」


お兄ちゃんと言いかけて、時雨は女の子だからお姉ちゃんかと思い出し言い換える。


雪「やめ、ろ…あんなの兄弟じゃねぇ」


翼「へぇ〜お前、姉弟いたんだな〜」


これは私でもわかる。ふたりの【きょうだい】の漢字が違うこと。


翼「つか、電話でねぇの?」


雪「出たところでろくな事じゃねぇよ」


璃夢「もしかしたら、大事なことかもよ?さっきからぜんぜん電話鳴り止まないし」


会話をしている間にも切れることなくなり続いている


雪「とにかく、俺は出たくない…ケホッ出た方がいいっていうなら、お前が出ろ」

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