INFATUATOシンドローム
────
───────
パタンッ
扉の閉まる音を聞いて俺は布団から頭を出した。
雪「……コホッコホッ…」
やっと帰ったか、アイツらは。もっと早く帰ればよかったのに……。
しかしそれと同時に寂しい気がした。
それもこれも、懐かしい【あの日の夢】を見たせいだと思いたい。
俺が酷いことを言った所為でもう会うことのなくなった【あの子】の夢。
初めて出来た友達の夢…
思い出していると、どんどん寂しい気持ちが募っていく。
独りは……嫌だ…………。
時雨「雪?」
雪「……!?時雨!?おま、いつからそこに」
名前を呼ばれる声がして扉の方に視線を向けると時雨と猫がいた
時雨「気づかなかった?ちゃんとノックしたんだけどな〜?…ボーッとしてたけど、もしかして熱上がったんじゃない?」
そう言って時雨が俺の額に手を当てた。
時雨「これ、結構高いよね。薬飲んで寝よ?何か食べた?」
熱が高いと分かった瞬間、体が鉛のように重くなった。
きっと熱が高いから寂しいなんて、一人は嫌なんて考えてしまうんだ…。
雪「………食べてない……」
時雨「う〜ん。漣が帰ってきたらお粥でも作ってもらうか…って、リンゴあるじゃん!」
時雨が手にしていたのは魁が切ってくれたリンゴだった。