INFATUATOシンドローム


雪『………。』


次の言葉を待っていたが、電話が切れてしまったのではないかと不安になるほど無言だった。


璃夢「えっと…雪くん?大丈夫?」


いったん受話器を見てみたが、秒数は動いているので切れてないことを確認してそう声をかけた。


雪『…………遊んでやる』


そして聞こえたのは遊んでやるの一言だった。

えっと、繋げると、一緒に遊んでやるってこと?え、遊んでくれるの!


バコンッ

へっ?

電話越しから変な音が聞こえた。


璃夢「ゆ、雪くん?大丈夫?」


なにか落としたのかな?あ、もしかして受話器落とした?


時雨『あ、璃夢?』


璃夢「時雨!雪くんは?」


心配になっていると今度は雪くんではなく、時雨の声が聞こえた。


時雨『今悶えてる。それより、暇なら一緒に勉強会しない?』


も、もだえてる?…受話器足にでも落としたのかな…?確かに指先になにか落ちてきたりぶつかると痛いもんね…。

って、今一緒に勉強って言った?


時雨『ゴールデンウィーク明けにテストがあるから勉強しておきたいんだけど、雪と2人でやっても楽しくないんだよね〜』


まぁ、勉強自体が楽しいものじゃないもんね。


時雨『だから、友達とやれば楽しいんじゃないかと考えたんだよ!』


友達と勉強すると楽しいの?やっぱりそうなんだ!


時雨『私の友達呼んでもいいんだけど。雪、女の子嫌いっていうか苦手だからさ。』


あ〜、そんなこと言ってた気がする。私が毎日ケンカ売りに行ってたときに。

私は女みたいで嫌だとも言われたし…
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