INFATUATOシンドローム

璃夢「あ、ホントだ。授業中うるさかったのはこの箱のせいだったのか…」


翼「気づいてなかったのかよ!」


別に大きな音が出てるわけじゃないんだけど、静かな授業の時はカタカタ気になって仕方なかったんだよね。まぁ今のところ静かなの数学の授業だけだけど…


雪「で?中身はなんなんだ?」


翼「うーん…開けてみねぇとわかんねぇな?」


箱にも何が入ってるって書いてあるわけじゃないしね…。多分食べ物だと思うけど。


翼「けど、あんまいいもんじゃねぇ気はするけどな」


最初は手のひらの上に乗せて持っていたはずが、いつの間にか汚いものを持つように摘んで持つ翼。


璃夢「いいものじゃない……え、すっごい不味いお菓子とか?」


美味しくないから私にあげようと思って、箱にも中身を書かなかったとか…。


翼「お菓子が動き出すか?」


璃夢「じゃあ腐った食べ物とか?」


翼「食べ物から離れようか?」


雪「いいから、開けろよ。翼」


中身が気になって仕方ないのか雪くんが早く開けろと言う。


翼「えー俺が開けんの?こんな見るからに怪しい箱を?」


雪「お前も男なら開けられるだろ」


翼「男女に限らず怪しいもんにはビビるだろ?」


璃夢「じゃあ僕が開けるよ?」


私も中身気になるし、何より私が貰ったものだしね。


翼「大丈夫か?刃物とか飛び出てくるかもしんねぇぞ?」



そう言って心配そうに箱と私を見比べる翼。

えっ!?そんな危険なものが入ってるの!?


雪「そんな小さい箱の中に刃物が入ってるわけないだろ」


だ、だよね。それに刃物なら【カタカタガサガサ】なんて音出さないよね?あ、それは食べ物も一緒か。
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