INFATUATOシンドローム


煌月「はい。なんの音かわからなくて気味悪かったけど、5限目からは静かでしたよね」


璃夢「お昼休みの時、ダンボールの中のお菓子食べようと思って屋上に持っていったら、カタカタ言ってる箱を見つけたんだ」


私が見つけたって言うか翼が見つけたんだけどね。言われるまで気づかなかったよね。


煌月「あの音、ダンボールからだったんですね。全然分からなかったです」


璃夢「僕も、翼に言われるまで気づかなかったんだよ!それでね?振ったりしてみて嫌な予感がしたから開けなかったんだけど…」


煌月「開けなかったんだけど…?」


璃夢「翼が開けちゃってさぁ〜」


煌月「あー、開けそうっすね八重樫なら」


私が中身をちゃんと言えば翼が開けちゃうこともなかったんだろうけど名前を口に出したくなくて…。


璃夢「そしたら中から何十匹かのゴキブリが出てきたんだよ!」


煌月「うぇぇえええ!?そこから出てきたの!?しかも何十匹!?気持わりぃ」


璃夢「ホント、どうやって詰めたんだって話だよ」


今考えても不思議だよ。だってアイツら羽ばたくでしょ?動き早いでしょ?じっとしてないんだよ?それなのにミチミチに箱に入ってたから不思議で仕方ないよ。


煌月「それで、ゴキブリはどうしたんですか?」


璃夢「葬った」


煌月「はい?」


璃夢「だから、葬ったよ?」
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