INFATUATOシンドローム
大翔「……何か言うことは?」
璃夢「……遅れてすみません」
煌月「ごめんなさい」
素直に謝り、一体どんなことをさせられるのだろうかとビクビクしていた。
大翔「……はぁ……今回は許してやるよ。だが、次はねぇからな?」
しかしあっさりと許してくれた大翔さん。もう私たちの方は向いておらず教科書に目を向けていた。
えっ?許してもらえた?なんで?明日は台風接近か…学校休みになるかな?
なんて考えながら私たちは自分の席へと向かう。
大翔「璃夢。」
璃夢「は、はいっ!」
声に出して言ってたかな!?台風接近とか嘘です!そんな!槍が降るの間違いでした!
大翔「新しい椅子、持ってきておいたから早く座れよ。」
思っていたことがバレたのかとまたドキドキしていると、今度も怒られはしなかった。しかも席の方を見てみると、言われた通り椅子が新しくなっていた。
あれだけ探してなかったのに!すごい!
煌月「良かったですね、椅子があって!」
大人しく席に戻った私たち。小さい声で煌くんはそう言った。
璃夢「ほんとだよ。でも大翔さんが優しいとなんだか怖いよね」
煌月「たしかに…今日は怒りませんでしたね?」
小さな声でそう会話をしたあと、流石にこのまま話してたら怒られると思ったので私たちは授業を受けるための準備をした。
そして教科書を出そうとして机の中に手を入れると
璃夢「った…!」
指先に痛みが走った
煌月「?どうかしましたか?」
璃夢「……なんでもないよ?ちょっとぶつけちゃって」
煌月「そうですか?」
私の小さな声に反応した煌くんだったが、何ともないと言うと少し気になっている様子ではあったが前を向いてくれた。