INFATUATOシンドローム

璃夢「あれ?」


体操服の入った手提げを取ろうとしたが、カバンと反対側にかけてあるはずの手提げがないことに気がついた


璃夢「………。」


煌月「どうしました?」


璃夢「…………なんでもないよ!今日の授業、やっぱり休むね?なんだか体調悪くなってきちゃって…待ってもらったのにごめんね?」


煌月「………そうですか…。」


何故か納得してないような反応をする煌くん。

どうしたんだろう?私、変な言い方しちゃったかな?でも体調が悪くなるのってよくある事だし…でも急に体調悪くなった風に見えるから不自然かな?


鷹也「あの!」


どう声をかけようか悩んでいると、鷹也くんが意を決したような表情で私に声をかけた。


璃夢「なに?」


鷹也「 辛く……ないんですか?」


煌月「っ、おい」


ツラクナイ?それは何に対して?どうして急にそんなこと聞いてくるの?私、辛そうに見えてる?大丈夫だよ、辛くなんかない。


璃夢「……大丈夫だよ!二人がそんな顔する必要ないんだし!ねっ?早く体育に行っておいで!僕は理事長室に行ってくるから」


ほら、今だって笑えてる。ちゃんと声をかけれてる。私は元気だ。なにも心配されることは無い。


鷹也「…………か?」


璃夢「ん?どうしたの?」


理事長室に向かうため、私は廊下に出ようとしたが、後ろで鷹也くんが何か呟く声が聞こえたので振り返ると、なぜか怒ったような表情をしていた。


鷹也「俺たちってそんなに頼りないですか!?」


璃夢「え?急にどうしたの?」


頼りないとか…今そんな話してたっけ?私、ちゃんと話聞けてなかったのかも…。もしかして、小さな声で言った部分に大事なことがあったのかも?


璃夢「ごめん、」


鷹也「…っ………もういいです…」


『さっきなんて言ったの?声が小さくてよく聞こえなかった』と聞くためにまず謝ったのだが、それを聞いた鷹也くんは教室を飛び出していってしまった。


璃夢「た、鷹也くん!?」


煌月「鷹也!!璃夢さんすみません!でも、俺も鷹也に同意見です。頼ってくださいよ。それじゃあ」


私も鷹也くんを追いかけようと思ったが、煌くんにもそんなことを言われ、私は追いかけることができなかった。

2人とも、【頼る】ってどういうこと?この状況で2人になにを【頼る】というの?

こうしていればいつかは終わるんだ。前はずっとこうしてた。これで何とかなったんだ…これ以外の方法を私は知らない……

こうするしか……ないじゃん…?
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