INFATUATOシンドローム

一瞬見ただけでわかる。【怯えている目】だ。

私はすぐに視線を逸らし、机の中のものをカバンに詰めていく


大翔「お前なぁ、俺の目の前で堂々と片付け始めんなよ」


大翔さんが怖い形相でこちらに歩いてくるのが見えるが気にせず片付けを続けた。


大翔「りーむー?いい加減キレるぞ?」


カバンの片付けが終わったので私は扉をに向かって歩き出した


大翔「…はっ?……璃夢?」


キーンコーンカーンコーン


授業が終わるチャイムが聞こえ、今が四時間目だったということを思い出す。

あぁ、次はお昼…か。カバンを片付ける時、弁当箱が入ってるのは見えたけど、なんだか軽いからきっと中身はいつものように捨てられてるんだとわかった。

お母さん………ゴメンね………食材も無駄にして…。それに色々と…ごめんなさい…





ガラガラッ

翼「璃夢〜、今日雨だぜ?どっかいい場所探しに…おぉ!どこ行くんだ?」


扉を開けようとすると丁度翼が扉を開けたらしくそう言われる。


翼「カバン?…帰るのか?」


雪「……?…体調でも悪いのか?」


いつも通りに見える二人。それが演技なのか、それともいつもが既に演技だから一緒に見えるだけなのか、もう分からない。

私は黙って二人の間を通り過ぎた


翼「えっ…璃夢?」


雪「おい無視かよ」


翼は私の行動に驚き、雪くんに関しては面白くなさそうだった。
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