INFATUATOシンドローム
翼「なぁ!璃夢!なんで無視すんだよ!」
翼は私の肩に手を置き、歩くのを止めさせた。
翼「なにかあったのか?」
そう言って私の顔を覗き込んでくる。
『なにかあったのか?』
なんて……なんでそんな心配そうな顔して声掛けてくるの?なんでそんなに普通なの?いじめられてるの笑ってたんでしょ…?
パシンッ!
璃夢「離して!」
翼「っ……え?」
雪「っ!」
私は肩にあった翼の手を思い切り払った
璃夢「……面白かった?人が虐められてるのを間近で見るのは」
ずっと心の中で笑ってたんでしょ?楽しんでたんでしょ?どうせ、この後ご飯食べるとか言って本性表すつもりなんでしょ?
翼「何言ってんだよ!そんなわけねぇだろ!?」
雪「急にどうした。………誰に何を言われた」
大きな声を上げる翼と、明らかに声のトーンが低くなった雪くん。
怒っているのは、私が知ってしまったから焦ってるんでしょ?
璃夢「きっと二人の気に障ることをしちゃってたんだよね、ごめん。もう、目の前には現れないから…安心して」
翼「はぁ?だから俺らの話聞けって」
雪「待て、目の前に現れないってどういう」
机の上に書いてあったもんね。消えちゃえとか死んじゃえとか…さ…。
大翔「お前らケンカでもしたのか?」
昼休みに入ったこともあり、私たちは周りから注目されていた。
そして大翔さんが現れたことで、翼も雪くんもそっちに視線を向けた。
璃夢「ばいばい」