INFATUATOシンドローム

翼「なぁ!璃夢!なんで無視すんだよ!」


翼は私の肩に手を置き、歩くのを止めさせた。


翼「なにかあったのか?」


そう言って私の顔を覗き込んでくる。


『なにかあったのか?』

なんて……なんでそんな心配そうな顔して声掛けてくるの?なんでそんなに普通なの?いじめられてるの笑ってたんでしょ…?






パシンッ!

璃夢「離して!」


翼「っ……え?」


雪「っ!」


私は肩にあった翼の手を思い切り払った


璃夢「……面白かった?人が虐められてるのを間近で見るのは」


ずっと心の中で笑ってたんでしょ?楽しんでたんでしょ?どうせ、この後ご飯食べるとか言って本性表すつもりなんでしょ?


翼「何言ってんだよ!そんなわけねぇだろ!?」


雪「急にどうした。………誰に何を言われた」


大きな声を上げる翼と、明らかに声のトーンが低くなった雪くん。

怒っているのは、私が知ってしまったから焦ってるんでしょ?


璃夢「きっと二人の気に障ることをしちゃってたんだよね、ごめん。もう、目の前には現れないから…安心して」


翼「はぁ?だから俺らの話聞けって」


雪「待て、目の前に現れないってどういう」


机の上に書いてあったもんね。消えちゃえとか死んじゃえとか…さ…。


大翔「お前らケンカでもしたのか?」


昼休みに入ったこともあり、私たちは周りから注目されていた。

そして大翔さんが現れたことで、翼も雪くんもそっちに視線を向けた。


璃夢「ばいばい」
< 380 / 540 >

この作品をシェア

pagetop