INFATUATOシンドローム
その姿が重なって見える。
殴られ蹴られ続ける痛み、そして誰もが見て見ぬフリをして助けてはくれない苦しみ…終わりの見えない絶望…。
「もうっ……ゃめてく…ださいっ……」
やめてって言ってもこういう人間はやめてくれるわけが無い。
あぁ忌々しい。やめてと言うだけで何も出来ないあの男の子にも、他人を甚振るクソな人間にもイライラする。
気づけば私は路地裏に足を向けていた。
「あ゙ぁ?なんだ姉ちゃん?何しに来た?」
「コイツ、京極の制服着てんぞ?」
「はっ!お前男かよ!まじ女かと思った〜」
何か言っているのは聞こえていたが私は無視して殴られていた男の子の所に向かった
「おいテメェ無視か?あ゙ぁ?」
何の返事もしないことに苛立ったのだろう、そう言ってチンピラのひとりが私の肩に手を置いた
私はその手に自分の手を重ね
「あ?う、わぁああああああああ!」
背負い投げをし、地面に力強く叩きつけた
「グハァッ!」
骨が折れるような汚い音が聞こえたが、そんなことはもうどうでもよかった。だって自業自得じゃん。同じことやってたわけじゃん。
「なっ!お前!何すんだよ!」
「ぶっ殺すぞぉ!!」
そう言って一斉に向かってきた。ぶっ殺すとか簡単に言ってくることにも苛立ち、私は一人一人を倒していった。