INFATUATOシンドローム

どうして殴った感覚が手に残ってるの?

どうして制服に血がついているの?

どうして手が血だらけなの?


どうして………こんなことになっちゃったの?



羚焚「とりあえず……倉庫に来い」


そう言って羚焚は少しだけ強引に私の腕を引く。

でも私はなぜ倉庫に行かなきゃいけないのか分からず歩こうとしなかった。

なんでここに羚焚がいるわけ?なんで倉庫にいかないといけないの?


羚焚「璃夢?」


璃夢「放っておけばいいのに……」


心の中で言ったつもりが声に出てしまったらしい


羚焚「いいから来い。風邪をひく」


璃夢「別にいい……」


風邪ひいたって…どうでもいいし…。学校に行かなくてよくなるし。


羚焚「チッ」


羚焚は舌打ちをすると私を抱き上げた

お姫様抱っこというやつだ


璃夢「………汚れるよ…?」


私の服は返り血でベタベタだ。きっと綺麗な羚焚の服に着いてしまう。


羚焚「別にいい」


璃夢「……。」


さっき私が羚焚に言ったことと全く同じ言い方で言われる。

本当に羚焚は気にする素振りも見せず歩き出した


羚焚の体温が暖かくて…気が付けば私は眠ってしまっていた…







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