INFATUATOシンドローム
しかし痛みは来なくて、代わりに来たのは暖かい温もり…
あれ、これもしかして抱きしめられてる?どうして?
そう思って顔を上げてみると翼と目が合った
璃夢「っ…」
何をされるのか想像がつかなくて怖くなり私は翼から離れようとした。
翼の胸を押すけどビクともしない。
怖いっ、怖いっ、何されるの?意味がわからないっ、離して離して離して離してっ
翼「璃夢」
ビクッ
璃夢「…っ」
なに?何を言われるの?悪口?嫌味?暴言?
お願いだよ…これ以上私を苦しめないで…
翼「…覚えてるか?入学式の時のこと。」
えっ?入学式?いきなり、なに?悪口言うんじゃないの?殴るんじゃないの?
背中を一定のリズムでトントンと叩きながら翼は話し始めた。
翼「お前、何も知らずに入学してきて俺にいっぱい聞いてきたじゃん?あんなに話したの久しぶりで楽しくてさ。仲良くなりたいなって思った。」
さっきの怒鳴って名前を呼ばれた時の声とは全然違う、優しい声に少しだけ落ち着いてくる。
翼「けど俺がお節介なせいでお前を困らせた。
『あぁ、もう仲良くできない。こんなやつと関わりたいと思うやついねぇよ。』って思った」