INFATUATOシンドローム

翼の声と顔を見ると苦しくなる。

『そんなことない!』って言いたい。でもそう簡単に言えない。

『お前の味方は誰もいない』って言った1年ヤンキーの言葉が頭をよぎるから…まるで呪いの言葉のように私を苦しめるっ…


雪「…お前は俺たちの言葉より、アイツらの言うことを信じるのか?」


その言葉に頭を鈍器で殴られたような感覚に陥った。そして呼吸が苦しくなる。

そうだ…私、あの1年ヤンキーの言葉を鵜呑みにして翼や雪くんの話をちゃんと聞こうとしなかった…。

友達の言葉より、どうでもいい人の言葉を信じちゃってるんだ、私…

自分ばかりが傷ついてるって思い込んで、私の方が…二人を傷つけた……


璃夢「っ…ごめん、なさいっ…」


翼「璃夢?」


璃夢「うっ…ヒック…ごめんなさいっ、二人のこと信じきれなくてっ…」


最低だっ……無視されることも理由も分からず突き放されることも悲しいことだって自分が一番分かってたはずなのにっ…


璃夢「っ二人のことっ…傷つけてっ…ヒック…ごめんなさいっ…」


あぁ、本当に最低だ。勝手にひとりで完結して、周りの話も聞こうとしないでっ、なんて最低なんだろう
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