INFATUATOシンドローム


璃夢「すぅ…はぁ………すぅ…はぁ…」


新鮮な空気を肺いっぱいに吸い込むように深呼吸をし、心臓を落ち着かせた。

………とりあえず私を閉じ込めようとした人たちを探そうかな?


璃夢「流石に閉じ込めるのはやりすぎだよね」


あの埃っぽいところに同じように閉じ込めて、反省するまで出してやんないんだから!

そして私は犯人を探す旅に出かけた

と言っても顔を見た訳でもないし…声を聞いただけで分かるほど頭良くないからなぁ…


翼「ん?璃夢!」


するとテント立てをしていた翼が私に声をかけた


翼「お前、ラインカー取りに行ったんじゃないのか?」


あ、あれ、ラインカーって言うんだ!やった、ひとつ謎が解けた!


璃夢「そうなんだけど、それよりやらなきゃいけないことが見つかって」


翼「やらなきゃいけないこと?……って、お前頭とか背中にすっげぇ埃ついてるぞ?」


璃夢「え、うそ?やっぱり窓から出たのは汚かったか…」


ぱぱっと払ったつもりではいたいけど、まさか頭の上に付いているとは。

そう思って頭の上もぱぱっと払ってみると、思ったよりデカイ埃の塊が頭についていた。


璃夢「わおすっごい」


翼「窓からでた?……お前まさか閉じ込められたのか!?」


私の言った何気ない一言たちで閉じ込められたことを当てる翼は本当に賢いと思う。


翼「ったく!犯人はぜってぇアイツらだろ!見つけたら俺がボコってやるからな!?」


そしてまるで自分の事のように怒ってくれる翼。


璃夢「ふへへっ、ありがとう翼」


私のことで怒ってくれるなんて優しいな。そして何より嬉しい。


翼「あ!居た!アイツら学校きてんじゃん!」


すると急に翼が学校の方を指さしながらそう言った。

私も見てみると、嫌がらせの犯人三人組が何か言い争い?うーん、何か言いあっているのが見えた。


翼「仲間割れか?ちょーどいい。ボコってやろうぜ!」


璃夢「つ、翼悪い顔してる」


ボコるつもりはないけど、一言言ってやって、ついでに同じ目に合わせてやろうと私も翼も三人組のところに向かおうとする。

すると三人組のところに二年の先輩が近寄っていくのが見えた。


璃夢「なんだろ?」


翼「遠くて何話してんのか分かんねぇー」

< 457 / 540 >

この作品をシェア

pagetop