INFATUATOシンドローム

翼「…そ、うか?」


璃夢「うん!それより、先輩たちいないね」


先輩たちがいた方向を見てみるが誰もいない


翼「あぁ、最後のやつ殴って直ぐに走っていった。悪ぃ…俺がアイツらの足止めしておけば…」


璃夢「気にしない!気にしない!この学校の生徒なんだからいつかは会えるでしょ?」


翼「……そうだな」


でも一体、何をしてたんだろう?気になるところは沢山ある。

けど、何かを忘れてるような…


「あっ、兄貴────ッ!!!」


遠くから呼ぶ声が聞こえたので見てみると


璃夢「大空くん!どうしたの?」


大空「兄貴がライン引きするって聞いたんで、お手伝いに来ました!!」


そうだ!ライン引きだ!すっかり忘れてたよ!


璃夢「でも僕のお手伝いよりテント立て手伝った方がいいんじゃないかな?」


大空「イエ!グラウンドは広いですから!兄貴!頼ってくださいよ!」


頼る……そっか、なるほどね。ここで一緒にやってって言うことも頼ることなんだね


璃夢「じゃあお願いしようかな」


大空「はい!任せてください!兄貴の手となり足となりますから!」


えっ、どうやって?

大空くんの手と足を私につけるってこと?


ブルブルッ
璃夢「っ」


恐ろしいことを考えてしまったよ


大空「?どうかしたんですか?兄貴」


璃夢「あ、ううん!なんでもないよ!さっ、早く行こうか!大翔さんに頼まれてから結構時間経っちゃったからね」


大空「じゃあ俺、先に行ってますね!」


璃夢「えっ?僕も行くよ?」


どうして先に?


大空「いやなんか、翼が兄貴になんか話したそうだから」


えっ?翼が?

視線をチラッと翼に向けると心配したような顔をしていた


大空「んじゃ、兄貴の分の準備してきますねー!」


璃夢「ごめんね、大空くん!ありがとう!」


大空「いえー!!問題ないでーす!!」


そう言って元気よく走っていった


璃夢「それでどうしたの?翼。」


翼「…ゴメンな?」


璃夢「なにが?」


翼「お前に怪我させちまったからよ…」


璃夢「…怪我なんてしてないよ?だから気にしないで?」


翼「ホントに怪我してねぇのか?あの勢いで木材が倒れてきたんだぞ!?絶対どっか怪我してるだろ…」


翼って心配性だよね。


璃夢「心配してくれてありがとう。でもどこも痛いところないし、きっと大丈夫だよ!ね?」


翼「そうか?……何かあったら直ぐに言うんだぞ?分かったな?」


そう言って私の頭を撫でた


璃夢「うん、わかったよ!」


翼ってお兄ちゃんみたいに面倒見いいよね。お兄ちゃんがいたらこんな感じなんだろうなって毎回思う


翼「じゃあ俺もテント立てに行ってくるから。無理すんなよ?」


璃夢「はーい!」


そして私も倉庫に向かい大空くんとグラウンドのライン引きをした

準備が出来たあとはラインが消えたらいけないので練習もなし、授業もなしで即下校になった
< 459 / 540 >

この作品をシェア

pagetop