INFATUATOシンドローム
璃夢「………。玖音、先戻りましょう?」
大翔「お?拗ねたか?」
またからかうような言い方をしてくる大翔さんを無視して、私は1個になったダンボールを持ち上げ、部屋を出た。
そして玖音もしっかりと部屋から出たのを確認したあと……。
バタンッ!
勢いよく扉を閉めた。足で。だって両手は塞がってるからね。
大翔「おい璃夢、なんの真似だ〜?」
璃夢「だって〜僕弱いから〜?こうしないと大翔さんには勝てましぇ〜ん」
大翔「ふざけんなよ?お前の分のダンボール持ってやったってゆーのによ」
璃夢「教師として生徒を助けるのは当たり前で〜す」
大翔「……クッ……たしかに」
言葉で人に勝てる自信はなかったが勝てたと思う。そして悔しそうな顔をしている大翔さんが浮かんでスッキリした。
璃夢「まぁ弱い僕では何も出来ないので自力で頑張ってください」
大翔「お前、弱いって言われたこと根に持ってんな?」
璃夢「さぁ玖音!早く教室に戻ろう?」
大翔「おい!無視してんじゃねぇぞ?」
部屋の中から大翔さんが何か言っているがそれを無視して玖音に声をかける。
璃夢「ほら!早く行かないとクラスの人たちの逆鱗(げきりん)に触れちゃうよ?」