Underground
1章
1節
「あー、だる」
藤井 雅フジイミヤビ。高校2年。
私が学校内で唯一気を遣わないでいられる時は、旧校舎の北側の壁に寄っかかってしゃがみこんで一服をしている時だ。
旧校舎は使われてもいないのに壊される予定はなく、現校舎の北側に建っているので旧校舎の北側にくればそうそう人と会うこともない。
放課後ともなれば尚更だ。
「疲れた………」
3本目の煙草を取り出して、火をつけ至福の時間を楽しむ。
「なに調子に乗ってんの?祐ユウたちのお気に入りだからって、うろちょろと周り彷徨いてんじゃねーよ」
「何様のつもりか分かんないけどさぁ。ウザイんだよお前」
………うわー、怖いねぇ?女って男が見てないと本当に容赦ないからね。
どうやら、2人の女子が1人の女子に文句を言っているらしい。
悪口だけど本人に面と向かって言えばそれは少しだけ正当なものとなる。文句を言っただけだと。
まあ、影で言われるより面と向かって言われた方がまだ精神的にこないかもしれないなー。
だけど、それはここでやらなくちゃいけないこと?人がせっかく一服してるってのにうるさい。
それにやっぱり人間は面倒臭い。特に女は。