Underground
私のためのソファは岳海の顔が見える方、客人の背中が見える方の隅に置かれていた。

ソファは座り心地は普通にいい。


「あ、そこにコーヒーか紅茶があるから、客人が来たら淹れろ。この部屋で雅の仕事はお茶くみだからwwww」

「りょーかーい」


そして、この会話の数秒後鉄の扉が開かれた。


岳海はにっこりと笑って、座ったまま出迎えた。


「お待ちしておりました。どうぞおかけ下さい。コーヒーか紅茶どちらになさいます?」

「コーヒーだな」

「かしこまりました」


岳海がちらりと私を見る。淹れろという意味だろう。


私の方とは反対の隅の方にポットが準備されている。コーヒーのシールが貼ってあるのできっとこっちがコーヒーだろうと、伏せてあるカップをひっくり返してコーヒーを淹れる。


「俺のも頼む」

「コーヒーで?」

「コーヒーで」


2個のカップを持ってトレンチに乗せるとテーブルの上まで持って行って、そっと置いた。

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