マドンナは社長秘書室勤務


道をつくってもらえたお陰で中心にいた主催者がこちらに気付く。

コツコツと音を経てて近付いてきた主催者は、


「相変わらず凄いなー」


面白そうにケラケラと笑っていた。

田神社長の古くからの知り合いで年上である青木社長。

そんな青木社長が今日のパーティー主催者だ。


「お前また吸収したんだって?次は俺んところとか言わないでくれよな。抵抗すらさせてもらえなさそうで」


田神社長をお前呼ばわり出来る人間はまずいない。

二人の関係性を知っていても、馴れ馴れしい呼び方と話し方に周りがざわつく。


「なんかさ、お前が来た途端に主役奪われた感」

「悪いな」

「うわー、絶対思ってないだろ!主役奪われた上に惨めな可哀想な俺を優しく慰めて~」


青木社長にロックオンされてしまった私は今にも抱き着かれそうで田神社長に巻き付けている腕にぐっと力をいれた。


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