マドンナは社長秘書室勤務
このハンカチも又会社支給のもので、軽く社長のスーツを口紅の後を拭くように叩く。
「こんな事をさせる為に連れてきたわけではない」
だからやめろ、そう冷たく言った田神社長にこれ以上はするわけにもいかないと不本意ながら社長から離れる。
一これ以上田神社長を怒らせてはいけない。
「いやー、今日は主役を二度も奪われた。二度目はお前らで一度目はあいつら。お姫様を連れて出席って事はまずないからすごいのなんの」
そう言って青木社長が視線を向けた先には隅で見つめ合っている二人の内一人は、飯田コーポレーション社長である飯田社長は田神社長のように若くして社長になった人。
強いて言うなら田神社長は世界を中心に経済を動かしているに対し、飯田社長が都市部を中心に経済を動かしている。
だから規模も違うけれど、同じように色んな事業をするため度々話し合ったりと信頼感で成り立っている。