マドンナは社長秘書室勤務
大企業である事から入社一年目でも平均以上の月収を貰えるからこそ、全てが一致する物件が見付かりましたという不動産会社からの電話に家賃も聞かず仮契約を進めてくださいと伝えれたのだ。
実際問題予想していた金額をオーバーしていたけれど貯金もそれなりに出来ている。
パシャパシャと洗面台で顔を洗った私は一度鏡を見た。
……嫌だと思う。
私はこの顔が嫌で仕方ない。
なんて言えば100人中100人がこう答えるだろう。
それは贅沢な悩みだと。
でも私は嫌なのだ。
この外見で怖い目には幾度となく合ってきたし、近寄りがたいと何度も言われ、好きになった人に告白する事もさせてもらえず振られる事もあった。
そんな出来事から私は徐々に人に恐怖心を抱くようになった。
特に異性に対して。
会社で働くようになり以前より軽くはなってきているけれど怖いものはやはり怖い。