マドンナは社長秘書室勤務


ただっ広い部屋には真ん中に置いてある椅子を囲むようにテーブルがあり、そのテーブルには大勢の面接官が座っていた。

その真ん中の椅子に座った私は幾つかの質問を受けたあと生意気にも言ってのけた。

”もしも私を選んでくださったなら、どうか人と関わりを持たない部署に私を配属してく下さい“と。

ざわつく室内の中面接官の一人は言った。

”証明写真であなたを見てから是非我が社の顔である受付嬢にと思い面接をしているのに何を言っている。それでは意味がないじゃないか。あなたはそれ以外に誰よりも劣らないと言えるものがあるのか?”

受付嬢なんて目立つ上、人と関わりをもつ場所。

そんな場所を好きではない私はこれまた生意気にも”でしたらお断りします。私を落としてください“と言ったのだ。

そんな私の発言に明らかに厳しい顔を浮かべる大勢の大人達。

そんな私にただ一人だけ笑ってくれた人がいた。

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