マドンナは社長秘書室勤務


「強ち間違いではないですが正しく言えば私がこうして榛原さんといる現実が気になって気になり仕事が捗らないという所です。ああ見えてナイーブですから榛原さんに嫌われたら…、なんて事に怯えてる事でしょう」


少し楽しげに言う田神室長にこんな一面があるんだと思う。


「田神社長がナイーブだったら全国民がナイーブになってしまいます。それに田神社長はそんな事思ってないと思いますよ。あとそんな風には見てないと思います」

「そんな風に見ていなかったら社長は貴女を抱き締めません。……これ以上何かを伝えてしまえば社長に合わす顔がなくなります。では私は榛原さんが無事目覚めた事を伝えてきますがもう少しお休みになっても宜しいですよ」


カタンと部屋から田神室長が出ていき、私は部屋に一人。

ああ言ってくれたからと言ってこのまま居座る事はどうなんだろう?と思うのになかなか身体は動こうとはしない。

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